夜の読書感想文「君の話」

夜の読書感想文

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就寝前のひととき夢に至るまでの道すがら

休日の心休まるひととき

つかの間の時間、現実と乖離させて空想の世界を見渡す感覚

私の読んだ本の中でおすすめしたい一冊です

君の話

映画化作品『恋する寄生虫』 著者の最新作、待望の文庫化 架空の青春の記憶を植えつけられた青年は、その夏、実在しないはずの幼馴染と出会う。これは、始まる前に終わっていた恋の物語。

HayakawaOnlineより引用

読み進め手が止まらなかった。
登場人物が少ないからこそ世界に千尋くんと灯花しか居ない感覚で読むことができる。
三秋縋の書く死は透き通っているように感じる。
読み終わった時、心が空っぽになって澄んだ気持ちになった。

ブクログのレビューより引用

出会ったことの無い女の子と再開し、始まる前には終わっている恋の物語

虚構の記憶「義憶」により存在しない運命に翻弄されていく

それは心の中の確かに空いた空白に滑り込むように、甘く温かく残酷な夢を見せてくれる

物語の文章も、この義憶のように心中に染み込んでくる。

読み終えた感想として、色々な意味でこれが物語でよかったと思えた。

不幸と語るには幸せ過ぎて、幸福と語るにはあまりに短くて、一瞬の儚さに全てを照らし出す花火のようで

世界観に引き込まれ頁を捲る手が止まらなかった。

読み終わりたくなかった。 ずっと続いて欲しかった。

でも、「どんな物語にも終わりがくるのは、書き手ではなく物語自体がそれを求める」為に終わってしまう

こんなにも優しい嘘を自分はつけるだろうか? そう考えずにはいられない1冊だった。

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