記事内に商品プロモーションを含む場合があります
就寝前のひととき夢に至るまでの道すがら
休日の心休まるひととき
つかの間の時間、現実と乖離させて空想の世界を見渡す感覚
私の読んだ本の中でおすすめしたい一冊です
怪盗フラヌールの巡回
亡き父親の正体は大怪盗だった――!? 長男の「ぼく」は、傷ついた弟妹と愛する乳母のため二代目怪盗フラヌールを襲名。持ち主にお宝を戻す“返却活動”を開始する。次なる標的は、天才研究者が集う海底大学。忍びこめたかと思いきや、初代怪盗フラヌールを唯一捕らえたベテラン刑事と、新世代の名(ウルトラ)探偵が立ちはだかり、不可能犯罪まで発生! 二代目怪盗フラヌールは、数多の謎を解き明かし、任務を完遂できるのか!? 衝撃の怪盗ミステリー、ここに開幕!
講談社より引用
ゼロ年代の清算という言葉がしっくりくる小説。世界を破壊してしまうような衝動性、自己実現のために他人を弑するスタイリッシュな犯罪、そういうものを問い直す小説を令和に西尾維新が書くことに意義がある。西尾維新作品の主人公は大抵不条理に遭い、自らの不足に悩むものだが、それに立ち向かう際、根底にある行動理念がこれまでは「渇望」であったのが、今作では「諦念」の先の「責任」に変わっているのが印象深い。つまりは相手の気持ちになって考えましょうって話で、そういう意趣が耳に痛むような形で本作にも盛り込まれまくっている。
読書メーターより引用
言葉遊びの天才、そう言いたくなるような一冊。
おやじギャグのような台詞回しでも若者が使用することでキレのある台詞に変じる。
父から子へ、「思い」と言うより「重い罪」を引き継ぎ怪盗活動に勤しむ主人公。
父の犯行に対する反抗が盗品の返却、父の汚名を濯いでいくという対照的な行動に面白みを感じた。
怪盗なのに盗品を返却することは確かに怪しいなと思ってもみたり。
内容もミステリーの王道、殺人・密室・刑事に記者に名探偵の揃い踏み。
ここに怪盗まで出てくるのだから一冊の情報量もかなりのもの。
変わっていく価値観、変わらない価値観そういったものを問いかけるような本でした。
あと、バウムクーヘンについての知識も無駄に上がりました。
ハッピーゴーラッキー。
コメント