忙しい朝や、ちょっと一息つきたいときに便利なインスタントコーヒー。手軽にコーヒーが楽しめるこの飲み物には、実は長い歴史と、発明者たちの努力がありました。今回は、知っているようで知らない、インスタントコーヒーの誕生秘話をご紹介します。
インスタントコーヒーはどうやって生まれた?
インスタントコーヒーの歴史は、19世紀末にさかのぼります。最初のインスタントコーヒーを発明したのは、1890年にニュージーランドで特許を取得した事業家デイヴィッド・ストランド・トムソンです。彼は「ストランド」(Strang’s Patent Soluble Dry Coffee-powder)というブランド名で商品を販売しました。
その後、アメリカでインスタントコーヒーが広く知られるきっかけを作ったのが、アメリカ在住の日本人化学者、加藤サルトリです。彼は1901年に製造方法の特許を取得し、ニューヨークで開催されたパンアメリカン博覧会に出展しました。
アメリカでの発展と「ネスカフェ」の誕生
加藤サルトリの功績の後、1906年にはイギリス生まれの化学者ジョージ・ワシントンが独自のインスタントコーヒーを開発。彼は1909年に「レッドEコーヒー」という商品名で大量生産を始め、人気を博しました。
そして、インスタントコーヒーを世界中で普及させたのが、1938年にネスレ社が開発した「ネスカフェ」です。ブラジル政府から余剰コーヒー豆の長期保存方法の開発を依頼されたネスレ社は、画期的な製造技術を確立しました。これにより、インスタントコーヒーは家庭用の飲み物として世界中に広まりました。
技術の進化と現代のインスタントコーヒー
戦時中、インスタントコーヒーは保存食として重宝され、兵士たちにとって貴重な飲み物となりました。この時期に技術はさらに改良され、香りや味が徐々に改善されていきました。
現在では、フリーズドライ製法や、スティックタイプなど、香り豊かで溶けやすい製品が数多く登場しています。忙しい現代人でも手軽に美味しいコーヒーを楽しめるようになったのは、多くの発明者たちの試行錯誤があったからなのです。
ちょっとした雑学
- インスタントコーヒーは、もともと戦場でも重宝された。
- 現代のフリーズドライ技術は、戦時中の飛行士向けに改良された。
- 世界で最も売れているコーヒーのひとつがインスタントコーヒー。
手軽で便利なインスタントコーヒーも、長い歴史と発明者たちの努力の積み重ねで、今の形になりました。次にカップに注ぐときは、少しだけ歴史を思い浮かべながら味わってみると、いつもの一杯がより特別に感じられるかもしれませんね🎶
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